イタリアンはイタリアンを食べない

イタリアンパスタ エッセイ
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「イタリアンはイタリアンを食べない。」

日本に住んでいるイタリア人はイタリアンを食べないって

誰かが言っていた。

それって、日本人がイタリアで日本食を食べないのと同じこと?

イタリアの日本食レストランもノルウェーの寿司屋さんも、

日本のイタリアンレストランともしかしたらそう変わらないかもしれない。

なんとなく、わかる気がする。

だって、

「あの」味を知っている。

「あの」香りを知っている。

「あの」感触や温度を知っている。

「あの」情景を知っている。

だから、どうしても比べてしまう。

同じ味でも、それだけでは物足りない。

その「物足りなさ」を感じることにおいては、誰もが共感できるのかもしれない。

イタリアンという名の料理があふれる異国。

日本食という名の料理があふれる異国。

日本で「イタリアンレストランに入ってみない?」って

誘っても

血管にワインが流れ、細胞がチーズからできていて

粘液がトマトソースからできている根っからのイタリア人は

うんともすんとも言わない。

※比喩の仕方、お許しください。悪意はありません。

身体が「あの」すべてを知ってしまっていると、どうしようもないのです。

心から楽しむことができない。

海外に住む日本の方も、きっと似たような経験があるはず。

現地で材料を揃えて、味噌汁を作ったことがある人も多いのでは?

味噌や醤油は高いし、節約したいけど、

それでもどうしても、食べたくなるときってありますよね。

血液に醤油が流れ、細胞が米からできていて、

粘液が味噌からできている根っからの日本人には

あの「精神安定剤並みに効く」味噌汁は、欠かせないのです。

※比喩の仕方、お許しください。こちらも悪意はありません。

だから、材料をそろえて、自分で作る。

そんなふうに、落ち着いていきます。

「イタリアンはイタリアンを食べない。」

ちょっとややこしく聞こえるかもしれませんね。

はい、おしまい。

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