カタツムリとノンナ、育てる食の心。

イタリア食材マーケット エッセイ
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買い物は、精肉店、チーズ屋さん、パン屋さん、マーケットなどを回って、少しずつ。


それぞれのお店で、それぞれの専門家が、

何が新鮮で、この食材はどんな料理に向いているかを教えてくれます。

ノンナ(nonna=おばあちゃん)に山に連れていかれて

キノコを採ったり、栗を拾ったり、カタツムリをいっぱい採ったり。

どこで何の食材が採れるのか教えてくれます。

カタツムリを採ってきたら、ネトルの葉っぱをいっぱい食べさせます。

そうすることでカタツムリが糞をだして、食べてを繰り返すうちに

カタツムリの中身がきれいになっていくのだそう。

たしかに採ってきたそのままだと何が内蔵に入っているのかわかりません。

おばあちゃんの知恵袋。

「カタツムリをネトルできれいにする」

「ああ、こうやってイタリアの子どもたちは自然と“食”を学んでいくんだな」と、

勝手に納得したりして。

毎週のように、
野菜のこと、お肉のことをプロフェッショナルから聞ける暮らし。
しかも顔なじみになれば、おまけまでしてくれる。

昔は当たり前だったことが、今では「贅沢な暮らし」と呼ばれることもある。


人はどれだけ便利さの上に、怠けてしまったのか。
——自分もそのひとりだけれど。

でも、そう思い行動を変えることが、変わるための最初の一歩になるのかもしれません。

イタリアの食を体験して、
どうしてイタリア人が“食べること”に情熱を持つのか、ほんの少しわかった気がします。


ほんの、爪の先ほどだけど。

ノンナの話をする時の旦那は、いつも温かなまなざしになる。
ノンナエピソードは旦那より。
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